舛岡さんが必要だ

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面白い動画を見た。東芝の技術者だった舛岡さんがフラッシュ・メモリを発明し東芝を去るまでの物語を描いたものだ。このフラッシュ・メモリが大変な発明だった。まず初期の電子機器はみんなボタン型の乾電池を持っていた。この乾電池の電気でメモリの一部を活性化し、そこにOSなどを書き込んでいた。自分は実際に80年代、電子楽器を開けてみて内部に必ず乾電池がありOSが起動していたことを思い出す。これが皆んなフラッシュ・メモリに置き換わった。

今、日本でも人気であるスマホもフラッシュ・メモリの恩恵を受けている。SSDである。SSDは電子的なハードディスクであり、その根っこにフラッシュ・メモリがある。80年代、日本が世界のPCを主導していた。例えばマイクロソフト社のCEOであるビル・ゲーツは毎月のようにNECの本社に現れPC9800シリーズに胡麻をすった。真面目な話、この頃のマイクロソフト社の売上の半分以上が日本で発生していたから当然だった。

今もスマホがあり進化を遂げているが自分の見るところ欠点が2つある。1つはバッテリーの力不足である。もう1つはフラッシュ・メモリの次世代型が現れない部分である。どちらも日本の得意分野だ。何故この分野で画期的なバッテリーがあるいは次世代フラッシュ・メモリーが現れないのか不明だが日本の情報が盗まれてるのが理由ではないかと思う。日本の技術がリアルタイムで盗まれてる現状ではがんばって 新しい技術を作ろうとする動機がないのだ。

自分が見るところスマホには幾つかの画期的技術が使われている。まずCPUが熱を出さないようになった。昔のインテルCPUの発熱はひどくパソコン雑誌で「CPUで作る卵の目玉焼き」という記事が本当に掲載されていた。真面目にインテルCPUの上にフライパンを乗せて熱で卵焼きを作るというものだった。もう1つは衛星経由での情報のやりとりだ。この部分は恐らくアメリカ政府の肝入れなのだろう。

だがスマホという単体を魅力的な商品にするのにはまだ不足なのだ。まずバッテリーが力不足だ。ここで日本の全固体電池とかの技術その応用が役に立つのに。もう1つはフラッシュ・メモリの次世代化である。どういうことかと言うとフラッシュ・メモリと通常のDRAMメモリの違いであるアクセス速度の遅さを解消してDRAMの速さのアクセスをするフラッシュ・メモリを開発することだ。FeRAMとか具体的な名前が出てくる。こちらも日本の得意分野なのだが、しかし現在のように情報が「共有」されてる時代に身を入れて開発する技術者が現れないのだ。要は80年代の舛岡のような技術者が出てこないのだ。何故、出てこないのかと言うとネット経由で情報が英米に偏って「共有」されるシステムが90年代以降、作られたからだ。

スマホが爆発的に売れる未来が見えてるのに実現されない現実は大変に挫折的だ。このシステムがビル・ゲーツを大金持ちにした。だが結果としてスマホは未完成なままだ。残念だ。

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