ブラジル音楽の奇妙な洗練

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ドリス・モンテイロが亡くなった。88歳だった。

引用

70年代の人気女性歌手でボサノバを先駆けた存在とも呼ばれたドリス・モンテイロが24日、88歳で死去した。同日付エスタード紙などが報じている。  1934年にリオ市で生まれたドリスは、10代半ば頃からラジオ出演を通じて歌手としての注目を浴び、16歳の1951年はレコード・デビュー。1957年には、この年のラジオで最もかかったと言われる「モシーニョ」で国民的な人気歌手となる。  この当時の多くのブラジル人歌手が使っていたビブラートによる歌唱法に頼らないドリスのシンプルな歌い回しは、50年代末から人気を博すことになるボサノバとの相性が良く、ビリー・ブランコやジョアン・ドナート、アントニオ・カルロス・ジョビンなどの曲を歌い、ボサノバ・ファンからも人気を得た。  

引用終わり

実は1990年のブラジル旅行の最大の目的はドリスのショーを見ることだった。たまたまやっておらず見ることができなかった。「ムダンド・ジ・コンベルサ」などでのひたすらアンティシペートしたリズムの撮り方はまさにブラジル的だった。残念だ。

自分は思うのだがブラジル音楽にはメロディーやコードで奇妙な先進性がある。自分は何故、ブラジルだけ違うのだろうと考えた。理由は不明ながらアラブ音楽が先進化したのではと思う。

アラブは欧州とアフリカに挟まれている。本来であれば莫大な音楽を生み出したはずだった。ところがアラブ諸国はイスラム教圏でありイスラム教は音楽と仲良くなかった。結果としてアラブの音楽的遺産なるものが生み出されなかった。例えばブルーノートがそうだと思う。ブルーノートは元々は四分音だった。半音の半分だけ下がると言うものが西欧音楽と合わず結果としてブルーノートは半音になった。だが、元々は四分音だったのだ。

例えばジョビンの名曲「おいしい水」でのアストラッド・ジルベルトのボーカルを聞いてるとまさに四分音だと思わせる部分がある。自分はそれはアラブ音楽の影響だと思う。

アラブ圏がアフリカに近いことを考えるともっと色んな音楽表現が生まれそうだ。自分はドリスの歌声の向こう側にもアラブ的洗練を見ている。

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