過去10年で何がおきたかを振り返ってみようというのが今回の趣旨である。自分の頭に最初に浮かぶのは「これ」である。日本のIMFへの緊急融資である。額は10兆円。時期としてはサブプラ危機のなかである。自分は思った: やっぱり日本は底力がある
それで10年後の今日、日本を世界のなかで見ると「ずいぶん日本は小さくなった」と思う。成長率とかである。
おいおい、ちょっと待て、日本はサブプラ危機でほとんど無傷だった。欧米は大きな傷を負ったが。日本の優位はどうなったのだ!これは簡単に答えると消えたんですね、あるいは見えないようになった。どうやって?答えがアベノミクス。
9年くらい前の民主党政権のころ、日本円は強かった。一時期は1ドルが70円台のこともあった。なぜ、ここまでドルが安いのか?アメリカの中央銀行が市場から米国債を買い市場に現金ドルを渡し受け取った米国債を保有し、FRBの資産が悪化しそれが通貨ドルの安値につながったからだ。一変するのは2012年にアベノミクスが開始してからだ。
アベノミクスではインフレ目標を達成するという掛け声のもとで日銀が市中から日本国債を買い取り現金日本円を渡し日本国債は保有し続けた。何のために?意味不明だがともかく日銀はそれをやった。結果として日銀の資産は劣化し日本円は安くなった。
麻生太郎元総理は国民を裏切ったのだろうか?現在は副総理をしているがかつて行ったIMFへの10兆円相当のドルの貸付というのはどうなったのだ?
自分は麻生太郎に聞いてみたい。
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